暗号資産

イスラム教からみた仮想通貨

2022年3月29日

日本では考えられませんが、世界では宗教的理由から制約が強いられることがあります。

例えば以下の問題。

  • 表現の自由
  • 女性の社会進出

イスラムとジェンダーは浮かびやすい問題で、たとえば服装規定から差別に苦しんでいる女性がいることも事実です。

参考)インドネシア:服装規定により差別される女性と少女(HUMAN RIGHTS WATCH)

実は仮想通貨もイスラムのフィルターを通すと、悪害の要素があります。

そこで本記事はイスラムのフィルターを通して、仮想通貨について考えていきます。

ひびき

ぼくが信仰しているわけではありません笑

イスラム教の教え

イスラム教は7世紀にムハンマドが神から啓示を授かったことがはじまり。

唯一神アッラーに服従・帰依し、コーラン(教典)に教えがまとめられています。

六信五行の教え

六信

  1. 唯一神アッラー
  2. 天使(神の使い)
  3. コーラン
  4. 預言者
  5. 来世
  6. 天命

五行

  1. 信仰の告白
  2. 礼拝
  3. 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
  4. 断食
  5. 巡礼

イスラムの教えを体系化した法律

イスラムの教えを法律として体系化したものがイスラム法(シャリーア法)

ひびき

シャリーアは「正しい道」という意味ですね!

民法・刑法・訴訟法・行政法など分野は多岐にわたり、儀礼・行政・商業の土台となっています

イスラム金融とビジネス観

イスラム教としては、"仮想"通貨を素直に受け入れられない事情があります

イスラム金融の3つのルール

  • 取引対象がイスラム教で許容されてること
  • 利息の要素がないこと
  • 不確実性の要素がないこと

つまり、自分で働いたお金で堅実に生きなさいってことですね。

あっくん

じゃあ家買いたいときはどうするの?

イスラム銀行が住宅メーカーから買い取った現物の家を、買いたい人に分割で売る方法をとってるよ。

ひびき

取引も現物資産のリアルな経済活動を重視。

お金を貸すのではなく、モノを売ることでイスラム教の教えに従っています。

金と共存してきた背景

堅実でリアルを重んじるイスラム教は、ゴールドに大きな価値を見出しました。

ゴールドはイスラム社会で最初の通貨の形とも言われ、金塊を取引してるアラブ商人のイメージが強いのはこのためです。

金本位制と現物取引

1816年にイギリスからはじまった金本位制は、イスラム教と金取引の文化を下支えしました。

金本位制

通貨◯円=金◯gの価値を決め、通貨の信用を高めてスムースな取引をめざしたもの

リアルな取引を重んじるイスラムの教えと合致したんですね。

ニクソンショックと新イスラム法

第二次世界大戦以降アメリカを中心にまわっていた金本位制は、ニクソンショックで終わりを迎えました。

金で通貨の信頼を担保することができなくなった代わりに、国が通貨の価値を担保する役割を担うことになります。

当然イスラム圏は大混乱ですが、議論を重ねて公的機関が発行した通貨なら認めることに。

イスラムの価値観を通した仮想通貨

イスラム法の解釈の違いから、実は国によって仮想通貨の取り扱いに違いがあるのが現状です。

というのも仮想通貨の複雑さやイスラム法学者の理解不足があるから。

世界を見渡せば日本やアメリカのように仮想通貨を認める国もあれば、逆に中国や韓国のように規制に動く国があることも事実。

参考)中国、暗号資産を全面禁止 国外との取引も「違法」(朝日新聞)

国から独立することを目指した仮想通貨も、国の方針に左右されるんですね。

仮想通貨を認めたイスラム金融の事例

人口の半分以上がイスラム教徒のマレーシアでは、2020年7月に仮想通貨取引が認めれました。

最近ではバイナンスがマレーシアの暗号資産取引所MXグローバルへ出資もしています。

アジアの金融センターは香港やシンガポールだったように、マレーシアはアジアの新しい暗号資産ハブになる可能性を秘めてるんですね。

参考)マレーシア、アジアの新しい“暗号資産ハブ”になるか? (coindesk JAPAN)

金を担保にした仮想通貨との共存

ワングラムという仮想通貨が、イスラム圏の仮想通貨事情を変える可能性があります。

ワングラムは仮想通貨1枚に対して1gの金を裏付け資産とするので、現物取引を重視するイスラム教の教えに寄り添った通貨と言えるでしょう。

イスラム圏の金融・仮想通貨市場を活性化してくれることを期待したいところです。

インドネシア事情

インドネシアは人口の85%がイスラム教徒である、世界最大のイスラム国家。

その国のイスラム法最高評議会によって、「不確実性・賭け・害悪の要素」を理由に禁止宣言が出されてしまいました。

伝統的な教えを遵守したと言えます。

一方でバイナンスがインドネシアに仮想通貨取引所を設立する計画もあり、宣言が国内仮想通貨市場にどのように影響するか注視が必要です。

参考)バイナンス、インドネシアに仮想通貨取引所を設立か(COINPOST)

まとめ

自国文化・価値観の輸出を争う時代は終わり、現代は多様性を求める世界になりました。

興味深いことに仮想通貨によってその逆のベクトル、世界共通の価値観が必要とされている気がします

仮想通貨ができたきっかけは、金融機関に依存しない互いに直接的に取引できる仕組みづくり。

金融機関という中央管理者を不在にしたからこそ、共通理解がより必要とされています。

仮想通貨市場の成長はめざましく、各国の法規制は十分に整っていません。

今後イスラム圏が仮想通貨に対してどのように取り組んでいくのか、さらに注目が集まります。

  • この記事を書いた人

ひびき

好き▶︎散歩、写真、寝る。Web3.0アプリつかってます。趣味▶︎ソロ活。ソロ活歴は動物園・焼肉・旅館・美術館・水族館です。個人の時代になるなかで、「自分で自分の幸せをつくる力」は必須かなと。自分なりの幸せをつくることにチャレンジしつつ、失敗や気づきをまとめてます。

-暗号資産