イスラム教からみた仮想通貨
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 17, 2022
2021年11月インドネシア
イスラム法に照らし合わせて暗号資産は不確実性・賭け・悪害の要素があり、禁止事項とみなされた。
中国は人民元が仮想通貨に流れるのを嫌った経済的理由だったけど、宗教的な理由もあるんだなΣ(-᷅_-᷄๑)#多様性 #ビットコイン
日本では考えられませんが、世界では宗教的理由から制約が強いられることがあります。
例えば以下の問題。
- 表現の自由
- 女性の社会進出
イスラムとジェンダーは浮かびやすい問題で、たとえば服装規定から差別に苦しんでいる女性がいることも事実です。
参考)インドネシア:服装規定により差別される女性と少女(HUMAN RIGHTS WATCH)
実は仮想通貨もイスラムのフィルターを通すと、悪害の要素があります。
そこで本記事はイスラムのフィルターを通して、仮想通貨について考えていきます。

ぼくが信仰しているわけではありません笑
イスラム教の教え

イスラム教は7世紀にムハンマドが神から啓示を授かったことがはじまり。
唯一神アッラーに服従・帰依し、コーラン(教典)に教えがまとめられています。
六信五行の教え
六信
- 唯一神アッラー
- 天使(神の使い)
- コーラン
- 預言者
- 来世
- 天命
五行
- 信仰の告白
- 礼拝
- 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
- 断食
- 巡礼
イスラムの教えを体系化した法律
ちなみにイスラム法は別名シャリーア法。イスラムの正しい生き方を儀礼、行政、商業とか幅広い分野で体系化してる法律。
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 18, 2022
宗教と仮想通貨の擦り合わせはなかなか難しいだろうけど、それも価値観のひとつ。#多様性 #ビットコインhttps://t.co/4LS9BuJ3r2
イスラムの教えを法律として体系化したものがイスラム法(シャリーア法)

シャリーアは「正しい道」という意味ですね!
民法・刑法・訴訟法・行政法など分野は多岐にわたり、儀礼・行政・商業の土台となっています。
イスラム金融とビジネス観
イスラム教としては、"仮想"通貨を素直に受け入れられない事情があります。
イスラム金融の3つのルール
- 取引対象がイスラム教で許容されてること
- 利息の要素がないこと
- 不確実性の要素がないこと
つまり、自分で働いたお金で堅実に生きなさいってことですね。

じゃあ家買いたいときはどうするの?
イスラム銀行が住宅メーカーから買い取った現物の家を、買いたい人に分割で売る方法をとってるよ。


取引も現物資産のリアルな経済活動を重視。
お金を貸すのではなく、モノを売ることでイスラム教の教えに従っています。
金と共存してきた背景

堅実でリアルを重んじるイスラム教は、ゴールドに大きな価値を見出しました。
ゴールドはイスラム社会で最初の通貨の形とも言われ、金塊を取引してるアラブ商人のイメージが強いのはこのためです。
金本位制と現物取引
なんで金で仮想通貨価値の裏付けをすると共存の可能性があるのか?それは金がイスラム社会の最初の通貨のカタチだから。とはいえイスラム法学者の間でも仮想通貨の取り扱いは議論が分かれていて、まだまだ見通しは不透明。#多様性 #ビットコインhttps://t.co/cBoSxwehCi
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 18, 2022
1816年にイギリスからはじまった金本位制は、イスラム教と金取引の文化を下支えしました。
金本位制
通貨◯円=金◯gの価値を決め、通貨の信用を高めてスムースな取引をめざしたもの
リアルな取引を重んじるイスラムの教えと合致したんですね。
ニクソンショックと新イスラム法
アラブの金取引のイメージは強い。それはこれまで価値の裏付けが金だったから。だから仮想通貨の扱いが難しい。金本位制がニクソンショックで崩れたときも同じように議論された。結果、公的機関が発行・保証してるなら認められたけど、仮想通貨は発展途上なうえ投資詐欺もあって、結論は難しい。
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 18, 2022
第二次世界大戦以降アメリカを中心にまわっていた金本位制は、ニクソンショックで終わりを迎えました。
金で通貨の信頼を担保することができなくなった代わりに、国が通貨の価値を担保する役割を担うことになります。
当然イスラム圏は大混乱ですが、議論を重ねて公的機関が発行した通貨なら認めることに。
イスラムの価値観を通した仮想通貨
大統領令「デジタル資産領域を主導する役割を担うべき」
— ひびき☘️転職PTのお金事情 (@hibikism005) March 19, 2022
・金融システムの公平性
・不正行為の抑制
・気候への影響の理解#仮想通貨 #暗号資産https://t.co/nLjiYGVo72
イスラム法の解釈の違いから、実は国によって仮想通貨の取り扱いに違いがあるのが現状です。
というのも仮想通貨の複雑さやイスラム法学者の理解不足があるから。
世界を見渡せば日本やアメリカのように仮想通貨を認める国もあれば、逆に中国や韓国のように規制に動く国があることも事実。
参考)中国、暗号資産を全面禁止 国外との取引も「違法」(朝日新聞)
国から独立することを目指した仮想通貨も、国の方針に左右されるんですね。
仮想通貨を認めたイスラム金融の事例
イスラム金融で仮想通貨取引容認へ マレーシア証券取引委員会https://t.co/3mqzC1xZNB
— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【アプリ配信中】 (@coin_post) July 12, 2020
人口の半分以上がイスラム教徒のマレーシアでは、2020年7月に仮想通貨取引が認めれました。
最近ではバイナンスがマレーシアの暗号資産取引所MXグローバルへ出資もしています。
アジアの金融センターは香港やシンガポールだったように、マレーシアはアジアの新しい暗号資産ハブになる可能性を秘めてるんですね。
参考)マレーシア、アジアの新しい“暗号資産ハブ”になるか? (coindesk JAPAN)
金を担保にした仮想通貨との共存
イスラム教は現物資産でのリアルな経済活動を大切にしてるから、金銭的投機の仮想通貨を問題視してる。
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 18, 2022
インドネシアしかりアラブしかり。日本では考えられないけど、それが世界の多様性。だからドバイでは仮想通貨1個につき1gの金を保管することで、宗教と仮想通貨の共存を図ろうとしてるんですね☘️
ワングラムという仮想通貨が、イスラム圏の仮想通貨事情を変える可能性があります。
ワングラムは仮想通貨1枚に対して1gの金を裏付け資産とするので、現物取引を重視するイスラム教の教えに寄り添った通貨と言えるでしょう。
イスラム圏の金融・仮想通貨市場を活性化してくれることを期待したいところです。
インドネシア事情
ちなみにイスラム法は別名シャリーア法。イスラムの正しい生き方を儀礼、行政、商業とか幅広い分野で体系化してる法律。
— ひびき☘️仮想通貨ブロガー×転職PT (@hibikism005) March 18, 2022
宗教と仮想通貨の擦り合わせはなかなか難しいだろうけど、それも価値観のひとつ。#多様性 #ビットコインhttps://t.co/4LS9BuJ3r2
インドネシアは人口の85%がイスラム教徒である、世界最大のイスラム国家。
その国のイスラム法最高評議会によって、「不確実性・賭け・害悪の要素」を理由に禁止宣言が出されてしまいました。
伝統的な教えを遵守したと言えます。
一方でバイナンスがインドネシアに仮想通貨取引所を設立する計画もあり、宣言が国内仮想通貨市場にどのように影響するか注視が必要です。
参考)バイナンス、インドネシアに仮想通貨取引所を設立か(COINPOST)
まとめ
仮想通貨払いがタイではできなくなりました。アメリカでは大統領令が出てプラスのイメージがありますが、韓国や中国、イスラム圏のように規制に働く国もあります。なぜ規制するのか考えると仮想通貨を多角的に考えれておもしろい。https://t.co/MSgYWB0Dwz
— ひびき☘️転職経験者のお金事情 (@hibikism005) March 28, 2022
自国文化・価値観の輸出を争う時代は終わり、現代は多様性を求める世界になりました。
興味深いことに仮想通貨によってその逆のベクトル、世界共通の価値観が必要とされている気がします。
仮想通貨ができたきっかけは、金融機関に依存しない互いに直接的に取引できる仕組みづくり。
金融機関という中央管理者を不在にしたからこそ、共通理解がより必要とされています。
仮想通貨市場の成長はめざましく、各国の法規制は十分に整っていません。
今後イスラム圏が仮想通貨に対してどのように取り組んでいくのか、さらに注目が集まります。